2010年3月20日土曜日

鳥獣被害の洗礼

24時間すらもたんとやられてしまいました。おじちゃんの畑は山際に位置しとって、何時かはあるやろなぁと思っとったんですが。こんなに早いとは…
昨日張り上げたハウスの屋根ビニルを押さえているマイカ線。一つ残らず締め上げとった筈やのに、あれっ?
ネコ?タヌキ?ハクビシン?
ウリでなくて良かったとしとかなあかんのかなぁ?新たなずくが求められたおじちゃんです。

2010年3月18日木曜日

一段落といえるのか?

昨日、出来なかった2棟の屋根を里親、先輩方にもう一度協力してもらって張り切ることが出来ました。ばんざ~いぃ。皆さんありがとうございました。

昨年12月に作業を開始したときは、こんな日が来るなんてなかなか想像できんかったんですが、ようやくたどり着きました。けど、まだ屋根がついただけ。妻面や換気用器具の設置などなどまだまだ作業は続きます。

とはいえ、日中に感じたハウス内の心地よい暖かさは、これまでの悶々とした作業をスカッと忘れさせてくれるようでした。

新しいずくがでてきそうや!

2010年3月17日水曜日

あとちょっとのところで

今日は、朝から里親、Iターン就農した先輩に協力してもらい、3棟のハウスの屋根ビニルを張り切る予定やったんですが、おじちゃんの準備が不十分で、結局ひとつのハウスの屋根を張っただけに終わりました。あかんかった点はふたつ。①ビニルをハウスから飛んでいかんように抑えるマイカ線というのがあるんやけど、その取り付け位置が間違っていたこと、②そのマイカ線を屋根に跨がせるんですが、一度に70本近いマイカ線を掛けるために使う荒縄への取り付けが悪かった点です。

ハウスの設営は、昨年農業大学校で経験しました。けんど、おじちゃんの圃場にあるハウスは、3棟がつながる連棟。農大は単棟。この違いが悪夢を生んだんですね。ほんま難しいですわ。

ずくだして、明日再挑戦のための準備ですわ。

2010年3月11日木曜日

春の兆し

一昨日の雪が残り、雪上に立っているだけで身体が冷えてくるので、作業も休み休みになりがちです。

昨年、農業大学校で手に入れた行者ニンニクから柔らかい緑の芽が出はじめました。雪に埋もれたり、凍みあがったりした育苗用ポットの中でじっとこの時を待ってたんかと思うと、その健気さとこれからやでぇと発散しようとしている蓄えてきたパワーに感心するなぁ。おじちゃんも分けてもらわなあきません。

寒い信州にもゆっくりと春が近づいてるんが実感できて、嬉しくなりますね。

2010年3月6日土曜日

農業はサイエンスやと思うんやけど

長野県が、開発した土壌・施肥診断システム『大地くん』による土壌診断がJAを通じ戻ってきました。(下表)ハウスは3棟あります。営農初年度ということ、各ハウスの水位が異なることが予想されること等あり、奮発して各棟ごとの診断をしました。

おじちゃんは、農業の基本は科学だと思っています。土壌診断は、少なくとも自らの圃場を知り、栽培の線路を引くための出発点になるものと考えています。3要素といわれる窒素、リン酸、カリだけで植物が育つわけないですやん。カルシウム、pHなど色々と目を配らんといかん思うてます。

薀蓄はええとして、土壌診断の結果から見えてくるんは、リン酸分が異常に高いことです。おおよそ標準の4~6倍含まれています。この点については、先に研修で訪問したときわ採種場においても指摘されていたとおりの結果でした。反対に窒素分がほとんどありません(涙)。その他、全体的に山側圃場の成分が高い傾向がある点、pHが高い点などについて、地下水位と関係しているか、はたまた前の耕作者の施肥・栽培品目によるものなのか、今後継続的に診断をしていかなければならんでしょう。

結論としては、思った以上にバランスが取れている土壌であることとpHが心配していたほど高くなかったんでちょっと安心したところです。

ところで昨年12月に農業大学校の講座の中で実施した土壌診断結果も付記しときます。この診断では、ハウス3棟の土壌を一試料にして行いました。JA実施のものとかなり差が出とって、やはり素人仕事はやっつけ仕事(笑)やったんやろかと思ってしまいます。

さて、この大地くんによる診断ですが、JAを通じて行ったこともあり、ありがたいことに推奨される施肥量が提示されていました。 それもJAが扱っている商品名でです(笑)。いやぁ、実に商売熱心です。ありがたいやら農家の思考を発展させないようにしてはるのか。

(表の見方)
赤字は、標準含有量より多く、青字が少ない。農業大学校では窒素分測定を実施せず。


酸度 アンモニア 硝酸 全リン酸 加里 石灰 苦土
(PH) (NH4-N) (NO3-N) (P2O5) (K2O) (CaO) (MgO)
土壌診断処方箋
キュウリ 5.6 1.8 0.4 172.0 44.0 324.0 35.0
キュウリ 5.8 2.2 22.7 249.0 91.0 339.0 55.0
キュウリ 6.5 1.7 5.0 288.0 78.0 450.0 66.0
農業大学校 6.0 44.0 46.0 254.0 29.0

2010年3月5日金曜日

もうすぐ屋根にはれるかな

今朝は、深い朝靄に包まれました。すぐ脇を走る上信越道も靄の中。
おじちゃんの作業も靄の中???いえいえ、師匠にチェックしてもらいながら作業を進めていますが、3月中旬にはハウスの屋根部分のビニルを張れそうです。今日も防風ネット等を取り付けました。

いよいよ晴耕雨読から脱出か、な?

途上国以下の農業生産現場!?

先日、かねてから市にお願いしていた上田在住農業青年の集まりである『農業青年会議』に参加することが出来ました。今回は勉強会で、内容は①GAP(Good Agricultural Practice)の導入について、②農業経営管理についてです。特にGAPについては、就農以前から関心があり、おじちゃんも耳ダンボ状態で話を伺いました。

GAPとは、「農業生産工程管理」と訳されており、農水省のHPでは「農業生産現場において、食品の安全確保などへ向けた適切な農業生産を実施するための管理のポイントを整理し、それを実践・記録する取組」とされてます。おじちゃんの理解では、農業活動における行動規範標準、規格で、環境規格であるISO14000シリーズや製品品質規格のISO9000シリーズの農業版ですなぁ、日本の外ではもはや農業生産活動において必須の規格といえるかもしれません。

おじちゃんが、以前の在勤してたアフリカのケニアにおいても、旧宗主国である英国に輸出される農産物はすべて欧州版GAPに沿って生産され、頻繁に審査員がチェックに入っていたのを記憶しています。その英国のスーパーマーケットに行くとケニア産だけではない、ザンビア、ジンバブエなど数多くの国から輸入されている現状を目にすることが出来ました。これらの国々の生産費は大きな違いはなく、輸送費の違いが契約可否の基準になるほどの競争の中で、標準規格に沿った生産は必要最低限の条件であったんです。

一方、日本における農産物は、主として国内で消費される目的で生産されており、輸出を目的とした農産物はきわめて少ないんが現状です。これまでにも日本の農業現場では、残留農薬や登録外農薬等の農業を取り巻く問題が食品の安全を脅かしてきてました。事件があるたびに、消費者やマスコミから『安全な食品を!』と言われてきているものの、現場でどれほどの取り組みがなされてきているか、おじちゃんは疑問を多くもっています。例えば、結構農業生産者の多くは喫煙者なんですね。休憩のたびにタバコを吸われるわけですが、休憩終了後そのまま出荷調整をされるなんてことはざらです。えぇ、手を洗うなんてことはありません。そして作業する隣には、先ほど吸われたタバコの入った灰皿が・・・。

そもそもGAPは、欧州で発展したもんです。まぁ、容易に国境を越えて出入りする環境と旧植民地諸国から輸入してきており、安全な農産物の取引のためには統一した生産工程管理が必要であったんですね。今や欧州に農産物を出荷する生産者は、欧州版GAP認証を得ることは必須なんですね。実は、中国で生産される欧州向け農産物も認証を受けた生産者によるものなんです。日本向け農産物は、その点非常に楽。まぁ、極論登録農薬を適切に使用し、残留が基準以下であれば良いわけですから。

色々な点において、日本の農業は途上国並、ましてや生産現場は途上国以下なんが現状であるというても過言ではないかもしれません。ただ難儀なんは、認証取得に結構な経費がかかること。他にも「有機」認証というのがありますが、あれも結構経費がかかるんですね。経費かけてでも認証を取得した方が収益が上がればええんですが、現実はおじちゃんのような弱小生産者には厳しいようです。

とはいえ、認証を取ることは先にするとしても、規格に沿ったおじちゃん農場の標準作りは今年からでも着手し、安全な食品の提供を皆さんに行っていきたいと思います。

最後に余談ですが、ケニアにこられた日本の農業関係者の方が、日本において欧州版GAPをすべて理解している方はほとんどおらへんなぁと言ってはったのが印象的に記憶に残っています。ただし約10年前のことですが・・・
そして、今の日本におけるGAPは、行政(国・自治体)、JA、民間と乱立し、各々の目的が異なっているんですわ。そんなことやから欧州版GAPを語れる人が、今は日本にいたとしても意外とまだ多くはないでしょうねぇ。たぶん・・・